重症患者が多い病棟の夜勤

一般の方がイメージする準夜勤・深夜勤は、病院の真っ暗な廊下を看護師が懐中電灯を片手に巡回している姿だと思います。こうした仕事も大切で、患者の容態をみるうえで欠かせないものです。しかし、重症患者のいる病室は真っ暗にはできません。そうした場合の夜勤をもう少し詳しく見てみましょう。

夜勤時は常時、モニターに気を配っています。病院は器械が非常に多く、バイタルサインを定期的に測ります。血圧、脈拍、尿の量、呼吸器やポンプの調子、手足に出血が見られないかなどを確認します。どんなに短くても、10分程度はかかります。容態をみるということは、患者の体そのものは勿論、器械の調子までもみることになります。

また医師の指示に従って行うことも重要です。例えば、指示された時間に点滴のなかに決まった量の薬を入れるという仕事があります。点滴は、放っておけばよいのではなく、その液の中に薬を入れてあります。

体の向きを変える(体位変換)も夜勤時の看護師の大切な仕事です。特に高齢者は、「床ずれ」を起こしやすいですし、寝たきりによる肺炎も怖いです。痰が詰まっていないかをみて、吸引機で吸い上げます。採血があったり、また、心電図の波形を見ながら、顔を拭いたり、口をゆすいだりします。

一人の患者についていると、他の患者からナースコールがかかります。トイレに行きたい、喉が渇いた、どこかが痛い、などです。容体の急変にいつでも対応できる緊張を持っていることが求められるため、夜勤時の看護師の心身の負担は、看護師の人数が多い日勤時とは比較にならないほど大きくなります。

呼吸器を付けている患者が痰を詰まらせて咳こんでいるので対応していると、別の患者は排便のためか、突然心臓に変化が来てモニターが異常を示しています。さらに追い打ちをかけるように、新しい患者が救急搬送されてきます…といったパニックは予定なくやってきます。

救命救急センターなどでは、看護師の配置をパニックを想定して要因を確保していますが、看護師の定数を穏やかなときにあわせている日本の制度では、急変に即対応できる能力を持った看護師と病院の管理体制に頼り切っているのが現状です。