高度な医療を提供する集中治療室の看護

ICU(集中治療室)は、重症疾患や大きな手術を受けた直後など、通常の医療設備では管理が難しい患者さんの状態を24時間体制で見守り、状況に応じた対応を行うことを目的に設置された特殊治療施設です。室内は点滴ライン、バイタルサインの監視モニター、人工呼吸器などが所狭しと並んでいますが、機械的な処置ではなく、人間的なケアを進めていくことが重要です。

バイタルサインの監視モニター

患者さんの多くは意識不明ですので、患者さんと直接、コミュニケーションをとる機会は少ないですが、意識が回復して無事に退室した際には看護師として大きな喜びがあります。人間的ケアや高度な技術を学べ、スキルアップを目指したい看護師さんに適している職場です。

CCU(循環器疾患集中治療室)は、心筋梗塞に代表される循環器疾患の治療を特化して行うことを目的に、医療機関内に設置される専門的治療施設です。医師、看護師、麻酔科医、臨床工学士などの各専門職がチームを組み、厳重な監視の下で治療に取り組みます。

CCUでは生命維持の器械によって24時間体制で患者さんの管理を行います。看護師は、緊急カテーテル検査の介助や補助循環装置の管理を担当します。循環器疾患は容体が急激に悪化する恐れもあるため、正確な情報収集を進めていく必要があります。心電図の読み取りが得意な看護師の適性は高く、その他の機器に強くなっていくことで、より専門的な知識が身につきます。

NCU(脳神経外科集中治療室)は、脳出血、クモ膜下出血、破裂のリスクが高い脳動脈瘤、脳動静脈機械に代表される脳神経疾患や頭部外傷を抱えた患者さんが、手術後に収容される治療施設です。SCU(脳卒中集中治療室)の役割を併せ持ってNCUとしている医療機関もあります。

NCUの患者さんは手術後も危険な状態にあることが多く、脳圧上昇などの兆候がみられれば、緊急手術を含めた処置を速やかに行えるようにしなければなりません。術後の患者さんの後遺症に対する援助のほか、心身の負担が少なくない付き添いの家族に対する精神的ケアも看護師には求められます。

NICU(新生児集中治療室)は、極低出生体重児、仮死新生児、先天性の疾患等で集中治療が必要な新生児・小児重症患者の治療にあたる専門施設です。複数の診療科の領域ににまたがる疾患を抱えているケースが多いため、治療に専従する医師と各診療科の専門医師がチームを組んで問題に取り組みます。

従来、ハイリスク妊婦による早産や不妊治療による多胎児など、治療が難しいケースは少なくありませんでしたが、高度医療技術の進歩により多くの命が助かるようになりました。その結果、NICUに入る新生児は、約35年で2倍の増加となりました。

PICU(母体胎児集中管理治療室)は聞きなれない施設かもしれませんが、重度の妊娠中毒症、前置胎盤、切迫早産や胎児異常など、ハイリスク出産の危険度が高い妊婦さんと胎児への対応を24時間態勢で行う集中治療室のことです。分娩監視装置、超音波診断装置、人工呼吸器、呼吸循環モニターなどの機器を備えています。

近年は、晩婚化の影響で初産の年齢が上昇していること、また不妊治療を受ける夫婦の増加により、周産期医療に求められる技術は高度化の一途をたどっています。PICUの看護師は、医師、助産師らと連携し、妊婦さんや胎児の治療、精神的なケアを行います。